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●週刊メールマガジン バックナンバー 2009年11月02日発行分
━━━━━━━━━━━■ 週刊・建設ニュース ■━━━━━━━━━━━
                          2009/11/ 2 No.334
                          (毎週月曜日発行)
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■上半期の受注実績調査 減少率、過去最大に

 半期ベースで過去最大の減少率に危機感-。(社)日本建設業団体連合会(野
村哲也会長)は28日、受注総額が前年同期比28%減の4兆3270億円となる、
21年度上期の受注実績調査結果(速報)を発表した。20年度下期を見ても前年同
期比24・4%減という危機的状況に対し日建連では「年間で10億円を割り込むか
もしれない」との見方を示すとともに「手持ち工事量も減り、大量の失業者が発
生する恐れがある」と危機感を募らせる。
 上期の国内受注額は、前年同期比26・3%減の4兆1070億円、海外受注は
同49・4%減の2200億円。国内の発注者別では、民間が同31・2%減の3兆
1320億円、官公庁は同7・4%減の9340億円だった。
 このうち民間の業種別では、製造業が電気機械75・9%減、輸送用機械83・9
%減、その他機械80・4%減などが大きく落ち込み、全体で前年同期比47・5%
減。非製造業は、大きなウエートを占める不動産業が37・3%減となり、全体で
は26・1%減。
 また9月単月の受注総額は、前年同期比10・8%減の1兆4150億円と11カ
月連続の2桁減少が続く。国内受注は、同5・7%減の1兆3770億円、海外
受注が同380億円だった。


■雇用政策などを議論 経済専門家との意見交換

 経済財政政策3役会議と民間エコノミストによる意見交換会『マーケットアイ
ミーティング』(第5回)が10月30日に内閣府で開かれ、労働生産性や雇用政策
について議論が交わされた。
 この日の民間エコノミストは、モルガンスタンレー証券のロバート・フェルド
マン経済調査部長と、みずほ情報総研の藤森克彦主席研究員。
 政府は公共事業削減で仕事がなくなった建設業に対し、農林業への転業支援を
雇用対策として打ち出している。これに関連して、古川元久経済財政政策担当副
大臣は会合で「農業や介護など生産性が低い産業を変えることが、内需を上げる
ことにつながるのではないか」との考えを提示。「需要を喚起するまでのタイム
ラグをどうすべきか」と質問すると、フェルドマン氏は「即効性ではなく長期的
に需要につながる政策を考えるべき」とアドバイスした。
 また藤森氏は「働くことができる人には仕事を、働くことができない人には給
付を」という英国の社会保障形式が日本でも有効だと提案、政府の緊急雇用対策
について「人材育成強化の方向性は良いが雇用に結び付くまで時間がかかる。生
活支援や住居確保が必要」との考えを述べた。


■新規開拓リスクを軽減 海外建設プロジェクト促進税制

 国土交通省が平成22年度税制改正要望で位置付けた「海外建設プロジェクト促
進税制」の詳細がわかった。「建設市場開拓型」と「環境対応型」の二本柱で構
成している点が特徴となっている。
 「建設市場開拓型」は、建設市場として発展途上にある外国において、建設請
負または調査・設計にかかわる役務の提供を行う場合に、収入または所得金額の
一定割合を損金算入する。「実績の少ない国、新規の市場を開いていくリスクを
軽減する」(総合政策局国際建設市場室)狙いがある。
 馬淵澄夫副大臣は会見で「大手、スーパーゼネコンのみならず、中小企業でも
キラリと光る技術を持っている会社にとって、大変効果のある形でご利用いただ
ける」と話している。
 一方の「環境対応型」は、大手ゼネコン向けの内容といえる。外国でCDMプ
ロジェクト(日本政府承認案件に限る)を実施する場合、CDM事業実施にかか
わる損失準備金相当額のうち、一定割合を損金算入する。地球温暖化への対応が
世界的課題となっている中、温室効果ガスの削減目標達成に寄与することになる。
 前原誠司大臣や馬淵澄夫副大臣らは、建設業の国際展開を国交省所管分野にお
ける成長戦略の柱とみている。国内建設投資がピーク時の6割程度に減少する一
方、アジアなどでは引き続き、インフラ整備への大きな需要が見込まれている背
景がある。
 しかし世界同時不況の影響を受け、昨年度の海外受注実績は対前年度比で約4
割の減少となった。各社の海外市場の新規開拓意欲が減退しているのが現状だ。
 同省では促進税制の創設で、開発途上国への国際貢献を行うという観点からも、
アジアなどの成長力を取り込む必要があるとみている。

W(ワード)
CDM
 クリーン開発メカニズム。先進国が途上国内で温室効果ガスの削減プロジェク
トを実施し、その結果生じた排出削減量を先進国と途上国が分け合う仕組み。

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               『編集後記』
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 国土交通省では、建設業の国際展開を一層推進することを打ち出しています。
大手ゼネコンが対象とのイメージが強いですが、地域建設業、専門業者も視野
に入れているとのこと。なかなか現実感は感じられないのですが・・・
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<発行>
㈱日本工業経済新聞社 メルマガ編集部
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