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●週刊メールマガジン バックナンバー 2012年03月12日発行分 ━━━━━━━━━━━■ 週刊・建設ニュース ■━━━━━━━━━━━
2012/03/12 No.452
(毎週月曜日発行)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本工業経済新聞社
https://www.nikoukei.co.jp/
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『NEWSピックアップ』
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■護岸整備・粘り強い堤防/津波対策で方針/国土交通省
国土交通省は、港湾における総合的な津波対策のあり方についての中間とり
あとめ案を示した。産業活動やまちづくりと連携した防護や避難対策の強化、
堤防などは粘り強い構造とすることなどを明記した。
津波については、発生頻度の高い津波と最大クラスの2つのレベルを想定し、
それぞれに対して最悪のシナリオをもとに、避難計画を策定。少なくとも人命
を守る「減災」の観点から総合的な津波対策を実施する。
まず、堤防の高さを越える最大クラスの津波が来た際にも、倒壊せずに一定
の効果を発揮し続けられるような粘り強い構造を目指した技術的な検討が必要
とした。
さらに、産業活動やまちづくりと連携した防護としては、港湾施設などを津
波防災施設に活用することや、岸壁、護岸のハード対策も検討することとした。
また、港湾の労働者や利用者の避難施設を浸水想定区域内に整備することとし
た。
同省は、昨年3月に発生した東日本大震災の経験を踏まえ、また、今後発生
が予測されている東海・東南海・南海地震への備えとして、総合的な津波対策
の検討を進めている。
■新たな法整備など4点/震災廃棄物処理で提言/JAPIC
日本プロジェクト産業協議会(三村明夫会長、JAPIC)が、大規模災害
廃棄物の処理に関する基本法(仮称)の制定と、これに基づく震災有事マニュ
アルの作成など4点を盛り込む「首都直下地震を初めとする大規模地震時の迅
速なる震災廃棄物のあり方の提言(案)」をまとめた。国直轄による一貫処理
体制の構築に向けて、有事には国が迅速に主導し民間力の最大活用を含めた総
力動員体制とともに、超法規的措置も視野に入れ対応。また平時から関係閣僚
が参加した体制構築の準備が不可欠と訴えた。 大規模災害廃棄物の処理に関
する基本法(仮称)は、平時の組織とその役割、費用に関しては国が責任を持
って負担、災害廃棄物を処理する上での情報発信や共有化体制などを盛り込む。
提言では、国直轄による一貫処理体制の構築に向けて、国は大規模災害廃棄
物の処理に関する基本法(仮称)を制定し関係自治体などとの役割分担を含め
た関連法制整備。同基本法に基づき震災有事マニュアルを事前に準備し、国直
轄による速やかな処理の実行を国民に明示する。
また政府内には、基本法に基づく組織を設け、協働体制の整備や最終処分場
の確保など瞬時実行のための準備推進を図る。これらを実行するための専門会
議の早期立ち上げを求めている。
中央防災会議の推測によると、大規模地震時には首都直下型で約1億t、東
南海・南海地震では約0・7億tもの震災廃棄物が発生。救急・救命、早期復
旧・復興を阻害し、首都直下地震では直接および間接の経済被害は110兆円
超とされる。このような中、廃棄物を迅速に処理する仕組みを事前に構築する
ことが喫緊の課題。
提言は、5日に開かれた防災委員会で承認。今後、修正を加え、政府をはじ
め関連省庁などに働きかけを行っていく。
■技術者の信頼を/シンポジウムで会見/土木学会
土木学会(山本卓朗会長)は、シンポジウム「東日本大震災 あれから1年
そしてこれから ~巨大災害と社会の安全~」を5日、6日にわたり開催した。
最終日に開かれた会見で山本会長は「一般市民の参加を求めるなど情報を広く
発信、また失われた技術者に対する信頼を回復。今まで何をやってきたのか、
何をやろうとしているのか、発信していきたい」と話すとともに「工学連携の
きっかけにしたい。大きくいえば、日本の世直し運動につながっていく」と語
った。
山本会長は「社会安全に対して力を入れ、▽設計者、計画者▽システムを運
営する事業者▽市民-3つの立場から考えてきた」と震災後1年の活動を振り
返り「きちんとトレースし、次に向けた体制を整えていく」と今後の展望を示
した。
東京大学安田講堂を中心に開かれたシンポジウムには、初日が1016人の
参加、続く2日目は650人の事前登録があった。
土木学会では、シンポジウムでの議論や各委員会などの研究活動を踏まえ、
継続的な成果の発表と技術面・政策面・制度面の提言などを行っていく方針。
■揚水機能など確保/下水道の耐津波設計/国土交通省
国土交通省が設置した下水道地震・津波対策技術検討委員会は、耐津波対策
を考慮した下水道施設の設計の考え方をまとめた。今後、津波被害が想定され
る地域での対津波対策への活用を求めている。
津波被災時に「必ず確保すべき機能」として、揚水機能、ゲートなどの逆流
防止機能、消毒機能の3つを挙げており、特に市街地では海水が滞留すること
が予想されることから、ポンプなどの揚水機能を最優先する。
また、被災直後は一時的に機能停止してもかまわないが、おおむね1週間程
度で迅速に復旧すべき機能としては、沈殿処理機能、汚泥脱水機能の2つを挙
げた。
同委員会は、東日本大震災後に設置され、これまでに復旧にあたっての緊急
提言や応急復旧、本復旧のあり方をとりまとめてきた。今回は、震災からの教
訓を踏まえて、全国的に活用できる考え方をまとめた。
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『企業経営コーナー』
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■借地権の使用貸借に関する確認書
父親が地主に地代を払って借りている土地(親の借地)に子供が無償で又借
りし、建物を建てているような場合(借地権を使用貸借しているケース)では、
子供は父親から又借りする借地権を贈与されたとみなされます。
しかし、当事者(子供、父親、地主)が連名で「借地権の使用貸借に関する
確認書」を税務署に提出すれば、贈与税は課税されません。
この場合の使用貸借とは、地代や権利金を支払うことなく借地権の貸し借り
を行うことです。
なお、この使用貸借されている借地権は、将来父親から子供が相続する際に
相続税の対象となりますので留意が必要です。
(情報提供=㈱税経)
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『編集後記』
東日本大震災から、1年が過ぎました。
復興は、まさにこれからです。(J・I)
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